About

カフェボスコベルは、徳島・加茂谷の静かな林の中にある小さな工房です。

風の音と鳥の声だけが届くこの場所で、私たちは時間をかけて「食の美しさ」と向き合っています。

メニューに並ぶハム、ベーコン、ハンバーグなどのランチ、スープ、ケーキ、ジェラート、ソース・ドレッシングに至るまで、すべてはこの小さな工房で、ひとつずつ手で作られています。

 

大量につくることはできません。

便利さや効率を優先することもしません。

けれども、素材の味をまっすぐに届けたいという想いだけは、強く持っています。




なぜ、手作りと無添加にこだわるのか。

理由はとてもシンプルで、自然の恵みは本来それだけで十分に素晴らしいからです。

 

県産の肉類、お米、森や川辺の空気を吸った野菜の香り。

余計なものを足さずに、素材の輪郭をそのまま味わってほしい。

その想いが、私たちが無添加・自家製にこだわり続ける理由です。

 

“何も足さない”ことは、実は“多くを受け入れる”ということでもあります。

素材の個性、季節、温度、湿度。

素材の仕入れや工房で料理を仕込むたびに、自然から多くを学びます。




料理は、自然と人の間にある“対話”です。

たとえばハムを作るとき、肉の状態を手で確かめながら塩をなじませ、

数日かけて旨みがまとまるのを待ち、

最後に静かに燻煙にかける。

 

この一連の時間すべてが、料理の一部です。

スピードよりも「丁寧であること」を選びたい。

 

そんな姿勢を、私たちはボスコベルの料理として大切にしています。




木々に囲まれた工房で、食は“商品”ではなく“生活文化”になる。

ボスコベルが目指しているのは、

ただ「美味しい料理を出す店」ではありません。

ここで過ごす時間そのものが、誰かの“生活の中の風景”になるような場所でありたいのです。

 

・木々の静けさとゆったりとした時間

・杉の木で作られた部屋の空気

・手仕事のぬくもり

・人による店内サービス

・小さな工房から立ち上る香り

 

これらをひとつの空間に編み込んで、

お客様の心にそっと残る“感覚の記憶”をつくる。

それがカフェボスコベルの願いです。




食はつくる人の生き方を映します。

だからこそ、私たちは誠実でありたいと思っています。

無理に背伸びをすることも、華やかな言葉で飾ることもせず、

今できる丁寧な仕事を積み重ねていく。

 

その姿勢がいつか、料理の奥行きとなり、店の空気となり、

お客様に届くと信じています。




カフェボスコベル——

静かな木々に囲まれて、食と向き合う時間をつくる場所。

料理は手で作り、味は自然が決めてくれる。

そんな姿勢をこれからも大切に、私たちは今日も工房で火を入れ、

季節の恵みと向き合っています。




Boscobelの語源について

Boscobelとは英国の地名であり、当店の入り口に植えられたイングリッシュローズの品種名でもあります。語源はイタリア語のBosco Bello(美しい森)です。その名の通り当地が持つ静かな美しさをそのまま店の名前に託しました。